家族性高コレステロール症とは?

家族性高コレステロール症とは?
家族性高コレステロール症とは?

家族性高コレステロール血症とは

家族性高コレステロール血症(かぞくせいこれすてろーるけっしょう)とは、遺伝性にコレステロールを代謝するメカニズムに何らかの異常があり、コレステロールの値が高くなる病気です。家族にコレステロールが高いと言われている患者さんがいて、ご自身も若い頃から健康診断などで悪玉コレステロールと言われるLDL-C(エル・ディー・エル コレステロール)の値が高いと言われてきた人は要注意です。基本的には以下の3つを主兆徴とします。

1:高LDL-C血症

2:早発性冠動脈疾患

3:腱・皮膚・黄色腫 (動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017)

生まれた時から、LDL-Cが高い状態が持続しているため、極めて心不全、心筋梗塞になる危険性が高いとされていて、未治療の場合、型にもよりますが男性で30-50歳、女性で50-70歳の間に心不全、心筋梗塞になる事が多いとされています。

遺伝性については、大方優性遺伝(ゆうせいいでん)といわれるタイプの遺伝が、日本人に30万人ぐらいいるのではないかと言われています。家族性コレステロールの診断では、特定の遺伝子(LDL受容体、アポリポタンパクB-100、PCSK9などに関わる遺伝子)に何らかの異常があるのですが、診断のために特別に遺伝子診断は必要ではありません。(特例のタイプもあります。)

遺伝の型で症状が分かれて、ヘテロ接合体、ホモ接合体に分ける事が出来ます。ざっくり、ヘテロの方が軽症、ホモの方が重症という認識で問題無いかと思います。

家族性高コレステロール血症の診断

診断は、採血検査、家族歴、身体所見で行います。特に身体所見ではアキレス腱、肘、手背が肥厚していたり、皮膚に結節性黄色腫があり、注意深く診察しないと見逃す事があります。また成人、小児で診断基準が変わります。小児の場合、診察所見が出ない事があり除外されています。以下に記載しておきます。

成人(15歳以上)の家族性高コレステロール血症(ヘテロ接合体の場合)

1:高LDL-C血症(未治療で180mg/dl以上)

2:腱黄色腫または皮膚結節性黄色腫

3:家族歴(2親等以内)

小児(15歳未満)の家族性高コレステロール血症(ヘテロ接合体の場合)

1:高LDL-C血症(未治療で140mg/dl以上)

2:家族歴(2親等以内)

また、糖尿病、甲状腺機能低下、ネフローゼ症候群、ステロイド内服中の患者さんは、それらの疾患が原因でコレステロール値が上昇するため二次性の高コレステロール血症の診断となります。

遺伝子異常は先程触れた重症パターンであるホモ接合体を疑う場合は行います。ヘテロ接合体の場合は上記の診断基準を満たせば必ずしも遺伝子検索を行いません。

家族性高コレステロール血症の治療

家族性高コレステロール血症では心不全、心筋梗塞になるリスクが高く、しっかりコレステロールの値を食事療法、運動療法、薬物療法で下げる必要があります。

具体的にはLDL-Cを100mg/dl以下、他に糖尿病、慢性腎臓病などのリスクがある患者さんは70mg/dl以下にする事が望ましいとされています。食事療法として脂っこい食事を避けていて、大豆、魚、野菜、海藻など和食のパターンの食事を心がけると良いです。運動療法も適度な運動を心がけると良いです。

薬物療法に関しては、まず良く使うのがスタチンという薬です。筋肉、肝機能障害などの副作用が出る事があるので使用を開始してから数日後、数週間後に採血で副作用が無いかチェックします。次に良く使うのが、ゼチーアという薬です。スタチンに加えて使用する事で心血管イベントを抑制する事が期待される薬です。

家族性コレステロール血症の患者さんの中には、スタチン、ゼチーアでコントロール出来ない時があり、その時はレパーサという新薬を使う事もあります。このレパーサ、非常に効きますが高い薬です。しかし、どうしても抑えたい時に使用出来る薬です。

上記の薬剤を使用しても期待した効果が得られない場合はLDLアフェレシスという特別な治療をすることもあります。人工透析のような形で一旦血液を外に出して、特殊な機械でLDLコレステロールを取り除いて体内に戻す治療法です。

 

家族性コレステロール血症は遺伝性の疾患ではありますが、正しく介入する事で将来の心筋梗塞・脳梗塞を予防できる疾患です。何か気になる事があればおっしゃって下さい。

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