腎臓と中性脂肪について

腎臓と中性脂肪について
腎臓と中性脂肪について

以前、脂質異常症と腎臓についてまとめました。

この記事では俗に言うLDLコレステロールという悪玉コレステロールに注意して、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管イベントを抑制する事が慢性腎臓病患者において大切である事をお伝えしました。

一方で、腎機能障害が進行した患者さんでは、この悪玉コレステロールであるLDLコレステロールは、身体に溜まりにくくなります。原因は諸説諸々ですが、ザックリ食べ物から身体に入ってきた脂質を代謝する機能が衰える事が原因と考えられています。一方で代謝機能が衰えた結果、中性脂肪が溜まるようになります。この状態を高トリグリセリド血症と言います。

1:中性脂肪と腎臓

慢性腎臓病患者では、様々なメカニズム(酸化ストレス、善玉コレステロール低下など)が原因で、中性脂肪による動脈硬化を促進させます。日本の沖縄の研究でも中性脂肪が高いと腎臓のSOSである尿蛋白が一杯出る事が分かっています。

昔は、肉類の動物性脂質摂取が少なかった日本ではあまり問題にならなかった中性脂肪ですが、食の欧米化により今後問題になっていく可能性があります。

2:まずは食事療法

治療はまず、食事療法です。肉類の動物性脂質よりは大豆のような植物性の脂質で脂質を摂取した方が良いです。イメージとしては昔の日本人の食生活をイメージして頂けると良いと思います。とはいえ、何度もこのブログで伝えていますが、栄養の話をすると、『これもだめ!あれもだめ!』という話になりがちで、患者さんから『じゃあ何食べればいいんだよ!』と困る患者さんが多いのは事実です。

個人的には栄養については、ある程度緩急が必要だと思っています。別に記事を作っていますのでこちらを参照下さい。

勿論、意識が高くて、楽しんで食事療法に取り組める方はドンドン取り組んで頂ければと思いますが、実際慢性腎臓病になっている方はご高齢の方や仕事が忙しくてなかなか健康に目を向ける事が出来ない方が多いのが現状です。

今回の脂質に関しては、『気をつける』という程度で良いと思います。具体的には、マフィンのような糖分、脂質が多い明らかに健康に悪そうな食品を避たり、吉野家に行った時に牛丼ではなくて、納豆と牛皿の定食にする程度の意識で良いと思います。俗に言う健康的なバランスのとれた食生活を意識して下さい。

3:次に内服療法と適度な運動

食事療法に次は、内服療法です。腎臓が悪いと、使用できる薬も限定されます。フィブラート系薬剤と言われる薬は使用せず、ユベラ、エパデール、ロトリガなどを使用します。また中性脂肪やコレステロールが高い患者さんでは、過食、肥満が背景にある可能性があり、適度な運動も勧められます。

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