<内科医直筆>睡眠時無呼吸症候群についてまとめました。

2019.01.14
<内科医直筆>睡眠時無呼吸症候群についてまとめました。
<内科医直筆>睡眠時無呼吸症候群についてまとめました。

今日は睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)についてお話します。2.3年前にトラック運転手の居眠り事故が多発した時期に、ニュースでも話題になった疾患で、腎臓内科医としても非常に重要な疾患の一つです。人口2%程度の人が罹っていると言われて、二次性高血圧という特別な治療が必要になる高血圧の中で一番頻度が高い疾患です。それでは行きましょう。

睡眠時無呼吸症候群とは?

寝ている間に、空気の通り道が塞がってしまい低酸素の状態が続く事で起きます。呼吸が10秒以上止まっている状態が1晩に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば睡眠時無呼吸とされています。

この疾患の厄介な所は本人に自覚する症状が無い事です。基本的には妻や家族がイビキや呼吸が止まっている事を心配される患者さんの方が多いです。

この睡眠時無呼吸症候群は、単純に日中に眠くなるだけでなく、心筋梗塞や心不全、脳梗塞などに結びつくし、慢性腎臓病の進行に関わる可能性も指摘されており必要に応じて治療を行う必要があります。( 2010 Dec;33(12):1278-82)

睡眠時無呼吸症候群の症状は?

症状としては、以下のようなものが挙げられます

・寝ている時の強いいびき、無呼吸状態。

・寝ている時に何度も起きてしまうトイレに行ってしまう。

・日中の集中力の低下、眠気、抑鬱状態。

 

また症状が無くても、以下のような場合は疑います。

・高血圧に対して何剤も薬を飲んでいるのに良くならない。

・夜間の血圧が高い。

・血圧は正常なのに、心臓が大きくなっている。

睡眠時無呼吸症候群を疑った時の検査は?

検査としては自宅で出来る簡易無呼吸検査を行います。手の指や鼻の下にセンサーをつけて普段通り寝ていただいて、睡眠時の呼吸状態を調べます。具体的に検査について知りたい、受けてみたいという方はこちらのサイトがお勧めです。(無呼吸をなおそう.com 〜簡易検査について〜)

簡易検査で無呼吸ありと判断された場合は医療機関に一泊入院して睡眠ポリグラフィーという精密検査を行います。この検査で無呼吸・低呼吸指数(AHIといいます)で重症度を決めて今後の方針を決めていきます。

AHIが5-15で「軽症」、15-30で「中等症」、30以上で「重症」と分類する事が出来ます。

「中等症+症状や臓器障害のある高血圧患者」や「重症例の患者」には積極的に治療を行います。

睡眠時無呼吸症候群の治療とは?

生活習慣の改善・CPAP療法・マウスピース療法・外科手術などの選択肢があります。

まずは生活習慣の改善から行います。肥満の方は減量、喫煙者は禁煙をし、寝る前の飲酒を避けます。その上で、高血圧を有する方であればCPAP療法を検討します。CPAP療法とは、無呼吸を防ぐために専用のマスクを付けて気道が塞がるのを防ぐ治療になります。(具体的な写真や機材についてはTeijinさんのサイトがまとまっているのでご参照下さい。)

重症度などによってはマウスピースなどを装着することで改善を認める事があります。最終的には、気道を塞ぐ原因になっている部分を取り除く外科的手術を検討する事もあります。

腎臓と睡眠時無呼吸症候群

腎臓内科領域では、血圧コントロールが非常に大切になります。腎臓が悪くなると血圧が上がりやすく、血圧が上がると腎臓が悪くなります。診療の中で多くの高血圧を診る事になるのですが、その中に睡眠時無呼吸症候群が隠れていないかを探す事が非常に大切になります。またIgA腎症の場合、睡眠時無呼吸症候群をしっかり治療する事も大切と言われておりますので検査を行い必要があれば介入します。

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管理人情報

森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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