高血圧の場合どんな生活習慣を送れば良いか?

2018.01.27
高血圧の場合どんな生活習慣を送れば良いか?
高血圧の場合どんな生活習慣を送れば良いか?

腎臓が悪い方の大半が高血圧、糖尿病を患っており、その治療が主な治療になります。今日は高血圧の際の生活習慣について書こうと思います。高血圧の診断、検査、薬についてはまた改めて違う記事で触れます。

塩分制限

塩分を摂りすぎる血圧が挙がります。実際、高血圧の患者さんが入院して塩分の少ない病院食を一週間ほど食べると普通に血圧が10-20mmHg程下がったりします。これは実際に研究結果として現れていて、以下のような結果が出ています。

塩分を1g/日減らすと血圧が1mmHg減少する。(J Hum Hypertens. 2002 Nov;16(11):761-70)

高血圧の方の塩分摂取は3-6g/日以下が目標です。日本人は塩分が濃い食事が大好きで10g/日以上摂取しています。勿論人それぞれではありますが、例えば塩分13g/日の人(=私です。)が目標値6g/日まで頑張ったとすると血圧が7mmHg減少する事になります。この血圧7mmHgがどう意味があるのかがイメージ付きづらいと思います。過去にこんな研究結果がありました。

収縮期血圧10mmHg、拡張期血圧5mmHgの低下で脳梗塞、脳出血になるリスクが約40%低下して、心筋梗塞のなるリスクが約20%低下する。(BMJ. 2009 May 19;338:b1665)

日本人は心臓より脳の病気になりやすいため、血圧をしっかり下げた時の効果が高いと考えられています。塩分に関しては詳しく記事を過去に書いていたのでこちらご参照下さい。

食事

Dash食という食事があります。詳しい事は栄養士の方に聞いた方が良いのですが、ざっくり肉類などの高脂肪・高コレステロール食を控え、野菜、果物、豆、魚、低脂肪乳製品、穀類などを中心とした複合食の事です。この食事に関して過去にこんな研究結果が出ています。

高血圧患者で1ヶ月間、減塩食とDASH食で生活すると収縮期血圧が11.5mmHg低下した。(N Engl J Med. 2001 Jan 4;344(1):3-10.)

このDASH食は、まだ日本人が食べても同じように血圧が下がるかはまだ議論の余地はありますが、参考にしても良いとは思います。具体的な食事内容に関しては、『食事バランスガイド』というものが作られて参考になります。患者さんから教えてもらったのですが、東大卒のイクメンパパで栄養士を目指している方のブログが見やすくて分かりやすかったそうです。ここらへんは栄養士の皆様型に委ねようと思います。

ここで注意なのは、腎臓が悪い患者さんはカリウムという野菜や果物に含まれている成分を摂りすぎると、高カリウム血症という状態になり不整脈などの原因になり注意が必要です。

ダイエット

肥満は高血圧の原因になります。また糖尿病、脂肪肝、高尿酸血症などなど様々な生活習慣病に結びつくので注意が必要です。腎臓に対しても影響を与えるため腎臓を守る意味でもダイエットは非常に良いです。詳しくは過去に記事を書いたのでこちらを参照して下さい。

肥満と高血圧も密接に関わっており、以下のような研究結果もあります。

約4kg減量すると、収縮期血圧も拡張期血圧も4mmHg程度下がる。(Cochrane Database Syst Rev. 2011 Sep 7;(9))

今、自分が診ている患者さんが外来で『痩せます』と宣言して半年で順調に痩せていき、降圧薬をこの前飲まなくて良い状態になりました。その方に聞いてみたら『いや、こんなんゲームですよ、ゲーム。』と仰っていました。自分もダイエットは経験もあり、見事に失敗しましたが、こんな感じで楽しみ感覚で楽しんでいる患者さんが意外と成功していたりします。

アルコール

飲酒習慣が高血圧と関連があります。しかしながら、適度のお酒なら飲んでも良いとされています。具体的には、男性でビール1杯、日本酒1合程、女性ならその半分くらいであれば適量とされています。この適量のお酒は体に良いというのは、まだまだ議論の余地がありますので、今後検討が必要です。

タバコ

タバコの場合、直接的な血圧との関連よりも、高血圧で起きる心筋梗塞・脳梗塞・脳出血などリスクに強く関連します。禁煙は必須です。気合で禁煙するのも手ですが、なかなか難しいので禁煙外来などを受診するのも手だと思います。

尚、高血圧でない人も禁煙を勧めます。というのも、タバコを吸っている人には高血圧が隠れている可能性があるためです。タバコは吸ってから15分以上の間血圧が挙がります。病院に来る前はタバコを控えるのが普通なので、高血圧と診断されませんが、実際家に帰ってから高血圧の状態に晒されている可能性があります。

極論かもしれませんが、タバコを吸って身体に良いことはありません。更に周りの人を受動喫煙のリスクに晒すので迷惑もかけてしまいます。勿論ライフスタイルや人付き合いなど医学的な話以外にタバコを吸う理由はあるかもしれませんが、取り敢えず医学的にはタバコを吸って良い事はありません。

睡眠

NHK番組『睡眠負債』以来、睡眠について注目されるようになりました。睡眠も高血圧に大きく関わっています。以下のような研究結果もあります。

睡眠障害などが原因で、1年以上6時間以内の睡眠しかとれていない人はそうでない人に比べて3.8倍高血圧のリスクがある。(Hypertension. 2012 Oct;60(4):929-35.)

また睡眠時無呼吸症候群も高血圧を引き起こします。睡眠時に息が止まる事で緊張状態になり寝ている間にも血圧が挙がります。日中の眠気、睡眠中のいびきなどが有る方は特に睡眠時無呼吸検査を検討しても良いと思います。

その他諸々、まとめ

その他、冬にしっかり厚着をする。ストレスを貯めない。便秘を防ぐなど様々な対策があります。

一つひとつは凄く地味は効果しかありませんが、塩分〜タバコまで上記に書いた事を気をつけて、更にストレス、厚着など様々な対策をして下げていく事が望ましいです。

腎臓が悪くて慢性腎臓病(CKD)の状態の患者さんは積極的に降圧薬を使って、血圧を下げていきます。慢性腎臓病の血圧管理に関しては過去に記事を書いたのでこちらを参照して下さい。

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管理人情報

森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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  • (2018.09.06)

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