【医師が教える】腎臓が悪いと言われたらまず読んでほしい記事

初めまして、赤羽もり内科・腎臓内科という透析予防のクリニックで院長をしている森 維久郎(もり いくろう)です。

この記事は、健康診断などで腎臓が悪いと言われ、慌ててネットで腎臓について調べてみたけど、なんかよく分からないなぁという方に向けた記事です。

腎臓という臓器は、非常に複雑な臓器で一つ一つを掘って説明すると全体像が見えなくなり、よく分からなくなります。

この記事では、まずにサクッと一周して説明します。分からないところがあっても気にせずに、一通り読んでみてください。

腎臓ってなに?

まず、腎臓ってなんですか?という所からいきましょう。

腎臓は背中に2つある握りこぶし程度の大きさの臓器です。(意外と小さいですよね・・・)

腎臓の一番大切な働きは、ずばり「汚いものを捨て、必要なものをとどめておく」です。

身体中を巡った血液が腎臓に辿り着き、キレイな状態となってまた再び身体中に戻るのですが、なんと1日に約150Lもの血液をきれいにしています。

腎臓は「汚いものを捨て、必要なものをとどめておく」という役割以外にも、多種多様な働きをします。あまりにも多種多様なため、NHKの特集などでは「人体ネットワークの要」と呼ばれていました。

以下に例を羅列してみます。

・血液を作る。
・筋肉・骨を作る。
・ミネラルの調整をする。
・血圧の調整をする。
・他の臓器との調整をする。(心臓、腸、肝臓など)

これ以外にも、色々な役割があります。握りこぶし程度の大きさの臓器でこれだけのことが行われているなんて神秘的ですよね。

腎臓が悪くなると起きる症状

腎臓が悪くなると、腎臓が担っていた仕事ができなくなり、さまざまな問題が起きます。

下に例を示します。

  • 毒素を処理する毒素がたまり、だるくなる
  • 血液を作る貧血になる
  • 筋肉・骨を作る筋肉・骨が衰える
  • 血圧の調整をする高血圧になる

ただし、症状としてでてくるのは、進行して重症になってからであり、初期の段階で全く症状がありません。

健康診断で異常を指摘されたけど、症状がないので放置した結果透析になってしまう患者さんは残念ながら結構います。

症状が出たときからだとかなり病気が進行しています。そのため早めの受診が必要です。

腎臓病の原因

腎臓病になる原因は、多岐に渡りますが大まかに2パターンあります。

生活習慣病が原因

日本で透析になる患者さんの7割程度が生活習慣病が原因と言われています。具体的には、以下のような原因が考えられます。

・糖尿病
・高血圧
・肥満
・タバコ など

免疫や遺伝の病気が原因

残りの3割程度が生活習慣以外の免疫や遺伝の病気が原因になります。

具体的には以下のような病気が当てはまります。

・IgA腎症
・多発性嚢胞腎
・ネフローゼ症候群 など

あなたの腎臓を壊しているのがどの原因かを見極めて、治療をする必要があります

多いのは生活習慣病ですが、見逃せない病気が隠れていることもあります。

腎臓が悪いと言われた行う検査

腎臓に何か異常がある可能性がある時は、検査に進みます。

まずやる検査は以下の3つです。

・採血検査
・採尿検査
・画像検査

採血検査・採尿検査

腎臓は悪くなってもあまり症状が出ないので、どのくらい腎臓が悪いかを調べるには、採血検査と採尿検査が唯一の手がかりです。

特に「eGFR」、「尿タンパク」は腎臓の状態をみる重要な検査項目です。

ネットをみると色々書いてあるのですが、とりあえず他は後で良いのでこの2つだけはおさえてください。

「eGFR」と「尿タンパク」が大切。

この「eGFR」と「尿タンパク」は医学的に正しく説明すると長くなるので、敢えて思い切ってざっくり説明すると「eGFR」は「腎臓の点数(=現在の状態)」「尿タンパク」は「腎臓のSOS(=未来の状態)」です

eGFR

eGFRで若い健康な人の腎臓を100点とした時に、何点かを示しています。(厳密には違いますが、簡略化します。)

この点数で重症度を良い方からステージ1から5の5段階に分けます。

(画像変更)

ステージ3を越えると腎臓病の診断になります。

eGFRが30を切るとステージG4、eGFRが15を切るとステージG5になります。

eGFRが10を切ると透析が必要になります。

健康診断の結果を受けて、もう1度eGFRを測定するのと、場合によっては特別な採血項目を使用してeGFRを違う角度から測定します。

尿タンパク

尿タンパクは、将来的に腎臓がどのくらいのスピードで悪くなっていくかを調べます。

健康診断などで行われる尿タンパクの検査は、「−」、「±」、「1+」、「2+」、「3+」の5段階に分かれます。

まず、「2+」、「3+」であったら必ず精密な尿検査を受けることをおすすめします。

健康診断の結果を受けて、尿タンパクの量を詳しく調べる定量検査という検査を行います。

画像検査

採血検査・採尿検査以外に腎臓の形を評価することで腎臓の評価をすることが可能です。

例えば、腎臓が小さく、ゴツゴツしていたら動脈硬化による腎臓の病気の可能性が高いです。

とくに超音波を使った検査は、被爆もなく、痛みもないのでよく最初に行われます。

あくまで補助的に行われる検査です。

情報が多すぎると迷ってしまうので、シンプルに「eGFR」、「尿タンパク」が大切と考えてください。

さいごに

最後にメッセージとしては、腎臓が悪いと言われたら一度で良いので専門的な検査を受けることをおすすめします。

特に腎臓は、あまり症状が出ないので放置してしまい、結果透析になってしまう患者さんが多いです。

この記事が医療機関に受診するきっかけに少しでもなればと思います。

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