腎臓はメタボリックシンドロームにも強く影響される。

2017.11.19
腎臓はメタボリックシンドロームにも強く影響される。
腎臓はメタボリックシンドロームにも強く影響される。

腎臓はメタボリックシンドロームにも強く影響受けます。特に内臓脂肪が多い肥満の人は蛋白尿が出現したり、腎臓が悪くなったりします。今日はメタボリックシンドロームと腎臓の関係について触れたいと思います。メタボリックシンドロームの診断基準は下の1)が必須+2)の2項目以上を満たす事が条件です。

<必須項目>

・内臓脂肪の蓄積(男性85cm以上、女性90cm以上もしくは内臓脂肪面積100cm2以上)

<以下の内、2項目に該当>

・高トリグリセリド150mg/dl以上、低HDLコレステロール40mg/dl以下

・収縮期血圧/拡張期血圧が130/80mmHg以上

・空腹時血糖110mg/dl以上

 

体内に脂肪が貯まるとインスリン抵抗性の状態になります。食事を摂ると血液中の糖分(=血糖)が上がります。糖分が上がるとインスリンという物質が出て血糖を抑えるのですが、メタボリックシンドロームの方はこのインスリンという物質が効きづらく、高血糖になりやすくなります。そうすると、体が頑張ってインスリンを出して無理矢理血糖を下げようとします。高インスリンの状態は血圧にも大きく影響を与えて高血圧の状態になります。その他様々なメカニズムで肥満は高血圧、高血糖、高脂血症を引き起こします。

 

高血圧、高血糖は腎臓の障害を引き起こしますし、高脂血症はCKD患者での心筋梗塞、脳梗塞のリスクを上昇させます。また最近では脂肪組織そのものが腎臓を障害する生理活性物質を生産したり、腎臓の負担を増やす物質を生産する事が分かってきました。結果的にメタボリックシンドロームに人が、そうでない人に比べてザックリ1.5倍くらい慢性腎臓病になるという結果を出した研究もあります。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21852664)

 

今自分が勤めている病院では、20-30歳頃の体重を必ず聞いて、若い頃から腎臓に負担をかけるような状態にあったかどうかを確かめます。実際、そういう患者さんを精査して肥満関連腎症という診断をつけた事が私自身あります。

 

根本的な解決策は、基本的には減量しかありません。またRAS系阻害薬という降圧薬が腎臓を保護する作用を持っており投与する事が望ましいと思われます。BMI35以上など特別の場合はBariatric手術という治療も選択肢に入ります。(私自身見たことないので詳しい人に聞いて下さい。)腎臓はメタボリックシンドロームにも強く影響受けます。CKDの患者さんにはダイエットをしてより透析にならないようにして頂いてます。

 

補足:上記の事はCKD stage4.5の方には当てはまらない可能性があります。詳しくはガイドラインなどをご参照下さい。

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森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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  • (2018.11.04)
    ファンデリー様企画の数百人規模のイベント「ミールタイム健康フェスタ」で『生活習慣病の食事療法・運動療法の最新の知見』と題して講演させて頂きました!
  • (2018.10.27)

    開催内容はこちら!(https://xn--v6q559gj6ehpa.com/archives/1206

  • (2018.10.10)

    ジャパンヘルスケアベンチャーサミットでCKDオンラインを発表しました!

  • (2018.09.21)

    日経メディカル様に取り上げて頂きました!詳しくはこちらへ!

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  • (2018.09.06)

    週刊東洋経済2018/9/8号で少しお話させて頂きました!

     

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