球形吸着炭についてまとめました。

球形吸着炭についてまとめました。
球形吸着炭についてまとめました。

球形吸着炭はクレメジンやマイランなどの商品を代表とする腎臓病の患者さんに使用される薬です。 先日、とある製薬会社の方から、「何故、球形吸着炭を使わないのか?」という問い合わせがあったので、書いてみようと思います。

まず最初に、球形吸着炭は全く使っていないわけではなく患者さんの状況に合わせて使っています。CKD診療ガイドライン2018では以下のように記載してあります。

Q「CKD患者に球形吸着炭の投与は推奨されるか?」

A「CKD患者への球形吸着炭の投与によるESKD、死亡の抑制効果は明確ではないが、腎機能悪化速度を遅延させる可能性があるため使用を考慮しても良い。」 CKDでは、腎臓からの毒素からの排泄の能力が低く体に毒素がたまってしまいます。この毒素に含まれるインドキシル硫酸が高ければ高いほど生命予後が悪いことが報告されています。(CJASN 2009;4:1551-8)

球形吸着炭は消化管内で尿毒素などを吸着して便として排泄することで血液中の尿毒素を低下させます。(Kidney Int 1997;52)

そのため球形吸着炭が透析予防、生命予後改善を期待して使われるようになりました。しかしながら20年ほど前に行われた大規模RCTを中心に球形吸着炭を投与しても、しなくてもあまり効果に差がなかったという結果も散見されました。(JASN 2015;26:1732-46、JASN 2016;11:559-67)

現在、効果があるという報告と効果がないという報告が混在している状態で、腎臓内科の先生の間でも使う人と使わない人で分かれます。

個人的には、CKDの患者さんはRAS系阻害薬、スタチン、ミネラルコルチコイド受容体、SGLT-2阻害薬、β遮断薬などなど元々飲むべき薬が多い中で更に球形吸着炭は飲み方も手間がかかり、量も多いのであまり優先的に投与はしておりません。 効果をお話しして希望がある場合は、尿毒素の管理を厳格していきたい症例などを選んで投与をしています。(あくまで個人的な意見ですのでその点ご了承ください。)

勿論、尿毒素の上昇が高い場合や、糖尿病による腎障害の場合は、効果がありそうという報告も出ているので検討して使っています。(BMC Nephrol 2016;17:141)

一方で、ご高齢の患者さんで、加齢や動脈硬化の影響を受けた軽度のCKDの患者さんではあまり投与していません。(早期こそ投与すべきという考え方もありますが。)

ここらへんは「良い」、「悪い」を白黒つけるのは難しいので患者さんごとに決めてしまっています。 何かご不明な点がある方は受診も可能ですので、ご相談下さい。

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