そもそも蛋白尿ってなんですか?

2017.07.08
そもそも蛋白尿ってなんですか?
そもそも蛋白尿ってなんですか?

端的に言うと蛋白尿は腎臓のSOSです。というのも蛋白尿は普通の人には出ません。人間には腎臓という尿を作る臓器があるのですが、その腎臓という臓器は『必要な物を取り込んで、不要な物を排泄する』という役割があります。

蛋白は私達の筋肉になったり、免疫を司る物質になる大切な物です。身体に必要なもののため腎臓で尿として排泄される事はほとんどありません。もし仮に今この記事を読んでいただける方で健康診断などで蛋白尿が出ていると言われた方は、尿として『出ていくはずのない蛋白』が排泄されているのでもしかしたら腎臓になんらかの異常があるかもしれません。

基本的に蛋白尿が出る原因は、大きく3つあります。

1:起立性蛋白尿

 よく小学校の健康診断の際に、朝一番の尿を採ってくるように思われたと思います。何故かというと、日常生活を送っているだけで蛋白尿が出るからです。腎臓のSOSと思いきや、単純に日常生活を送って少し腎臓にストレスがかかって偶然出てしまったというパターンが相当数あります。実際、私が診療していて、健康診断で検尿で蛋白尿が出て紹介された方の中には、本当は朝一番で尿を採らずに尿を提出してしまったという方を多く診います。

 こういう場合を想定して、尿蛋白が出た患者さんには再びしっかり朝一番で検尿してもらい、しっかりとした検査結果を見て本当に腎臓のSOSかを確認します。

2:生活習慣病関連

 高齢化社会の日本において、高血圧、糖尿病になっている方は大勢います。また喫煙や尿酸値が高い人も多くいます。生活習慣病は腎臓に物凄く負担をかけます。腎臓が完全に壊れてしまった方は透析が必要になるのですが、透析の原因の第1位は糖尿病です。また高血圧による透析の患者さんも日本には多くいます。

 高血圧であっても、糖尿病であっても、蛋白尿が出ているという事は腎臓にとってはかなりダメージを受けております。一刻も早く、規則正しい生活、内服薬による加療が必要な段階まで来ていると考える事が出来ます。

 実は、腎臓という臓器はなかなかシブトイ臓器で、健康な腎臓が100とすると、15ぐらいになるまで機能が落ちないと症状が出てきません。逆に症状が出た時には、既にどうしようない状況になっている事例が相当数あります。

 それまで腎臓は、蛋白尿というSOSをずっと出し続けています。このSOSにしっかり気づく必要性があると思います。

3:病気

 免疫の病気や遺伝の病気など様々な種類がありますが、共通にするのが、生活習慣の改善のみではなく、特別な治療をする必要があります。日本で特に多いこの類の病気はIgA腎症です。IgA腎症は免疫の病気で、蛋白尿とともに血尿を伴っている事が多いです。また風邪を引いた後に目に見えるような血尿が出たりします。症状が重い場合はステロイドのよる治療や、扁桃という口の中の部分を切除したりします。

 腎臓は症状が出るまで時間がかかるため、蛋白尿というSOSだけ出ている可能性があり、そのSOSに気づいてあげるのが大切です。

 まとめると、蛋白尿が出る原因は色々ありますが、腎臓のSOSである可能性が高く放置する事で食事制限にしなくてはならないほど生活に規制が出たり、透析になる可能性があるため早期発見、早期治療が求められる事を知っていただけると有難いと思います。

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森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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