ヨーロッパの脂質異常症のガイドラインが改定されました。

8月31日からフランスでヨーロッパ心臓病学会会議が行われており、脂質異常症のガイドラインが改定されました。腎臓病の患者さんは、心不全・心筋梗塞などの心臓関連の病気のリスクが非常に高いので、このガイドラインの改定は非常に重要です。

復習にはなりますが、腎臓病が悪くなればなるほど、心筋梗塞・心不全などのリスクが上がると考えられています。

そのためリスクの高い心筋梗塞・心不全などの心血管イベントを減らすために、コレステロールの値をしっかりコントロールするのが重要です。またコレステロールを下げるスタチンという薬は、腎臓を守るかもしれないと考えられています。

CKD診療ガイドライン2018ではスタチンとCKDについて以下の記しています。

★スタチンの腎保護作用(CKDガイドライン2018

CKD進行抑制→論文として12編中4編で効果あり。エビデンスが不足しておりあくまで可能性として留める。

・アルブミン尿抑制→論文として5編中2編で効果あり。エビデンスが不足しておりあくまで可能性として留める。

★CKDにおける冠動脈疾患に対する予防のための目標値

・1次予防としてLDL-C<120mg/dl

2次予防としてLDL-C<100mg/dl

 

今回のヨーロッパの発表では2次予防として以下の患者に関してはLDL-C<55mg/dlにすることを検討すると記されています。

ASCVDの既往

・網膜症、アルブミン尿がある糖尿病

・心血管疾患があるFH

eGFR<30ml/min/1.73m2

10年間の心血管疾患による死亡リスク>10%

CKDの患者さんには多く当てはまるので今後LDL-C<55mg/dlにすることを目指すことを検討しても良いと思います。LDL-Cは「The lower is better(低ければ低いほど良い)」と考えられており、現代人の生活をしている患者さんでは生命の危機に瀕する程、下げることはなかなか出来ず基本的には低ければ低いほどよいと考えてください。

まとめるとCKDでは心血管イベントを予防するために積極的にLDLの値を下げる必要があり、結果腎臓を保護する可能性があると考えて頂いても良いと思います。(脂質異常症については詳しくこちらでまとめましたのでご参照ください。

将来の冠動脈疾患のリスクを予想し、脂質の管理目標の設定の手助けをする指標が動脈硬化学会より発表されております。今回の記事では、この管理目標よりも下げていきましょうという内容ですが、添付しておきます。(冠動脈疾患発症予測・脂質管理目標値設定アプリのご案内

 

詳しくはこちらへ

「欧州心臓学会会議の公式サイト」

Congress Home - World Congress of Cardiology
World Congress of Cardiology & Cardiovascular Health

「日経メディカル ~脂質異常症GL改訂、超高リスクはLDL55未満も~」

脂質異常症GL改訂、超高リスクはLDL55未満も
8月31日からフランス・パリで始まった欧州心臓病学会会議(ESC2019)で、脂質異常症のガイドラインが改訂発表された。動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の既往、微量アルブミン尿や網膜症など臓器合併症のある糖尿病、心血管疾患の既往がある家族性高コレステロール血症(FH)、重度のCKD(eGFR<30mL/分/
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