No.9 CKDと生活習慣 〜基礎編〜

No.9 CKDと生活習慣 〜基礎編〜
No.9 CKDと生活習慣 〜基礎編〜

腎臓内科の森 維久郎です。今日は食事・運動以外の生活習慣に触れようと思います。

CKDとタバコ

CKD患者さんでタバコを吸っている人は必ず禁煙しましょう。もうこれは絶対です。1日20本以上タバコを吸っている人は透析・移植などの腎代替療法が必要になる可能性が4-5倍まで上昇するという報告もあります。

どれだけ、食事や運動を頑張っていてもタバコを吸っているとそれらをすべて帳消しするぐらいの悪影響があると考えてもらって良いと思います。それなら食事と運動は取り敢えず気にしなくても良いからタバコを辞めてもらう方が良いくらいに思っています。

腎臓だけでなく心臓や脳の障害の観点から、CKDの人は元々心不全や脳卒中になる可能性が高いのに、タバコが追い打ちをかけてしまいます。実際、禁煙をすることで30-40%も死亡率を下げるという報告もあります。

CKDとアルコール

一昔前まではアルコールは適量だと身体に良いとされていましたが、近年適量でも健康にとって望ましくないという報告も出てきました。CKD患者さんにとって、アルコールは適量なら良いのか、良いなら適量はどの程度なのかについてはまだ分かっていません。少なくとも飲み過ぎはよくありません。

あくまで目安ですが一般的な適度の飲酒量は1日あたり20g程度と言われています。これはビール1缶、ワイン1.5杯ぐらいに相当します。

CKDと睡眠

睡眠の障害は高血圧を介して腎臓に障害を与える可能性が示唆されています。1日6時間以内しか睡眠が取れていない人は、6時間以上しっかりと睡眠を取っている人に比べて4倍程度高血圧になるリスクが上がると考えられており、睡眠と血圧の関連が考えられています。また睡眠時無呼吸症候群はCKD患者でよく見られ高血圧を引き起こします。いびきが強い、いびきが止まる、昼に眠いなどの症状がある場合は検査をオススメします。

CKDと肥満

BMIが25を越えると肥満、内臓脂肪・脂質異常症・高血圧・高血糖の特定の基準を満たすとメタボリックシンドロームの診断になります。

脂肪が身体に貯まると、血糖値を下げたり、血圧を下げるメカニズムに障害が出て高血圧・糖尿病を引き起こします。血圧・血糖のメカニズムを介して腎臓の障害すると同時に、脂肪組織そのものも腎臓を障害する物質を生産することも分かってきました。そのため適度な食生活・適度な運動を行うことが望ましいです。

CKDと歯周病

CKDの患者さんは口腔内衛生が悪い可能性が高いと考えられています。結果歯周病になっている患者さんが多く、歯周病ではP.gingivalis(ジンジバリス)などの菌が血管に侵入して腎臓を含めた全身の血管を障害する可能性が指摘されています。歯周病と腎臓の直接的な障害に関しては現在調べられている段階ですが、少なくともCKDの合併症である心臓や脳の障害、その他誤嚥性肺炎や認知症などの観点からも積極的な歯科的治療をオススメします。

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