No.2 CKD(慢性腎臓病)とは? 〜基礎編〜

No.2 CKD(慢性腎臓病)とは? 〜基礎編〜
No.2 CKD(慢性腎臓病)とは? 〜基礎編〜

腎臓内科医の森 維久郎です。No.2はCKD(慢性腎臓病)について書きます。

CKDとは?

CKDとは、No.1で伝えたeGFRが60を切った状態もしくは尿や超音波、CTで腎臓に異常を認め、その異常が3ヶ月以上続いた状態を言います。ガイドラインでは以下のように記載されています。

CKDの定義は以下の通りであり、①/②のいずれか、または両方が3カ月以上持続することで診断する。

① 尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、特に15 g/gCr以上の蛋白尿(30 mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要。

②  GFR<60 mL/分/1.73 m2

CKDが進行すると身体によって不要な物質を身体の外に出すことが出来なくて、透析や腎移植が必要になります。そのため腎臓が悪くならないような治療を行う必要があります。(治療に関しては次回の記事で触れます。

またNo.1で伝えた通り、腎臓は身体にとって必要なものを作る働きがありCKDが進行するとそれらの物質が不足します。最終的に腎臓以外の様々な臓器に影響を及ぼすため腎臓以外の視点で治療を行う必要があります。代表的なものを以下に書きます。(これらについても詳しくNo.4以降に詳しく触れます。)

・心臓・脳:心筋梗塞、心不全、不整脈、脳卒中など

・貧血:腎性貧血など

・筋肉・骨:筋力低下、骨粗鬆症など

・その他:脂質・電解質・尿酸など

CKDの重症度を調べよう。

CKDの中でも軽症のものから重症のものがあります。医療の世界ではこの重症度をステージで表します。このステージを決めるために「GFR」と「タンパク尿」という2つの検査項目を使います。下の図のGが「GFR」、Aが「タンパク尿」で右下に行けば行くほど重症になります。

eGFR

「eGFR」という値は厳密には、No.1でも触れたように1分間の内に腎臓の糸球体でろ過される血液の量を示すのですが、目安として健康な人の腎臓を100%とすると何%の腎臓の力があるかを示しています。

「eGFR」が90以上だとG1、60以上だとG2、45以上だとG3a、30以上だとG3b、15以上だとG4、15より下だとG5になります。ご自身の採血データーをみて自分の位置を確認してください。

タンパク尿

「タンパク尿」という値は、尿に混じっているタンパク質の量を見ています。腎臓という臓器は身体の外にタンパクが漏れないようにする働きがあるのですが、腎臓が障害されていると尿に混じって身体の外に出てきます。つまり「タンパク尿」が出ている状態は「腎臓がSOSを発している」状態を示しています。

「タンパク尿」が0.15g/gCr未満だとA1、0.15~0.49g/gCrだとA2、0.50g/gCr以上だとA3になります。糖尿病の場合は「タンパク尿」の中のアルブミンという成分に注目して「アルブミン尿」で確認します。

この「GFR」と「タンパク尿」は腎臓の障害を評価するために使用しますが、ざっくり「GFR」が「現在」の状態、「タンパク尿」が「未来」の状態を指すとイメージしてください。

 

一度悪くなった「eGFR」は基本良くはなりませんが、血圧や血糖値などを管理して「タンパク尿」を減らすことで透析・移植を先送りにする事ができます。

次回は具体的なCKDと腎臓について触れます。(No.3 CKDと腎臓・透析)

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管理人情報

森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
管理人近況
  • (2018.11.04)
    ファンデリー様企画の数百人規模のイベント「ミールタイム健康フェスタ」で『生活習慣病の食事療法・運動療法の最新の知見』と題して講演させて頂きました!
  • (2018.10.27)

    開催内容はこちら!(https://xn--v6q559gj6ehpa.com/archives/1206

  • (2018.10.10)

    ジャパンヘルスケアベンチャーサミットでCKDオンラインを発表しました!

  • (2018.09.21)

    日経メディカル様に取り上げて頂きました!詳しくはこちらへ!

    リンク先はこちら

  • (2018.09.06)

    週刊東洋経済2018/9/8号で少しお話させて頂きました!

     

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