ネフローゼ症候群とは?

ネフローゼ症候群とは?
ネフローゼ症候群とは?

今日はネフローゼ症候群(しょうこうぐん)についてまとめます。ネフローゼとは、尿からタンパクが「大量」に漏れる病気が原因で結果、体内のタンパク質が足りなくなる状態を指します。症状としてむくみ・体重増加・尿の泡立ちなどが挙げられ、放置すると重篤になり、時に死に至ります。非常に理解が難しいので丁寧に書いていこうと思います。

理解のために先に書いておきますが、ネフローゼ症候群は「病名」ではありません。糖尿病性腎症・微小変化型ネフローゼ・膜性腎症・多発性骨髄腫など「タンパクが尿から漏れて、血液中のタンパクが少ない状態」を引き起こす病気「達」をまとめた総称を指します。(ややこしいですよね・・・・)

ネフローゼ症候群とは?

冒頭で伝えた通り、尿から出てってはいけないタンパクが「大量」に漏れる病気により、体内のタンパク質が足りなくなる状態を指します。ネフローゼ症候群の場合、正常な人より数十倍のタンパクが出ている事が多く、結果血液中のタンパクも少なくとも20-40%減、多い時は80%程減ってしまいます。

血液中のタンパクが減ることで、

・水分を血管にキープできなくなり、むくだり、全身に必要な血液を送る事ができなくなる。

・免疫力を司る物質が減り、免疫力が下がる。

・血液をドロドロになり、血栓という血の塊が出来る。

などの様々な体のメカニズムに障害が出ます。特に、体の体液のコントロールが出来なくなり、尿が出なかったり、呼吸が苦しくなったりすると一時的に透析医療や人工呼吸器医療が必要になる事もあります。

ネフローゼ症候群の診断・原因・検査は?

採血・採尿検査で尿にタンパク出ている事・血液中のタンパクが減っている事が証明、具体的には「尿タンパク1日3.5g以上、血中アルブミン3.0g/dl以下」であれば診断になります。

タンパクは普通、尿からもれないので、尿にタンパクが出ている状態は、腎臓に何らかの異常があります。原因として考えられるのは糖尿病性腎症微小変化型ネフローゼ膜性腎症多発性骨髄腫巣状分節性糸球体硬化症膜性増殖性糸球体腎炎などが考えられます。(各疾患についてはリンク付けしましたのでそちらをご参照ください。)

原因を調べるには、問診に加えて採血、採尿、画像検査などを行いますが、最終的に腎生検(じんせいけん)という腎臓に針を指して組織を採ってきてその検体を顕微鏡で観察して診断するのが一番良い方法です。(腎生検についてはこちらにまとめました。)一方で、経過からある程度が予想が付く場合は腎生検をせずに診断をつけることもあります。

ネフローゼ症候群の治療について

ネフローゼ症候群の治療は、原因の病気の治療を行うのが望ましいのですが、ネフローゼ症候群によって起きる症状に対して治療を行う必要があります。

体液コントロール:利尿剤を使って体の不要な体液を出します。呼吸が苦しい時や全身のむくみが強い時に使用します。

血液をサラサラにする:ネフローゼ症候群では血液がドロドロになるため、血中タンパクが少ない時は血液をサラサラにする薬剤を使用します。

免疫物質を補充する:採血検査で明らかなに免疫物質が少ない時は免疫物質を補充します。

治療を先行する:年齢、経過、元々持っている病気などから原因をある程度推測する事が出来ます。腎生検でしっかり診断を付けたほうが望ましいのですが、結果が出るまで時間がかかるため待てない場合は治療を先行する事があります。その際はステロイドという免疫抑制の薬を使うのが一般的です。(ステロイドについてはこちらにまとめました。

腎臓内科的にはネフローゼ症候群は早く見つけたいです。

腎臓内科.comは不要な不安を煽らないようにするスタンスをとっていますが、ネフローゼ症候群は早く見つけて介入したい病気のうちの一つです。1週間で身体がむくんで体重が5kgぐらい増えきた。呼吸が苦しくなってきた。尿が全く出ない。尿の泡立ちが強い。みたいな事があれば迷いなく、医療機関を受診で良いと思います。中には早めに治療をする事で治療の成績が良くなる疾患もあります。

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管理人情報

森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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