膜性腎症とは?

2017.10.07
膜性腎症とは?
膜性腎症とは?

本日はネフローゼ症候群の原因を占める膜性腎症について触れます。

ネフローゼ症候群に関してはこちらへ→ https://xn--v6q559gj6ehpa.com/archives/17

 

膜性腎症の頻度、症状、診断

膜性腎症は成人例のネフローゼ症候群の20-30%を占める疾患です。腎臓の特定の領域に免疫の物質が付いてその物質が悪さをするのではないかと言われていますが、実際詳細は良く分かっていません。

中年以降の発症が多く、男性に多い疾患で、発症は緩徐です。具体的には2ヶ月前から体が浮腫んで、体重も増えてきたという方が外来にくると膜性腎症かなと腎臓内科医は考える疾患です。以前記事に書いた微小変化型ネフローゼとどう違うのかが気になり、臨床経過や尿所見で判断しますが、最終的に腎生検を行って診断をつけます。

一般的に腎機能は保たれますが、一部の症例(1割程度)では腎不全に移行するため、腎臓内科としても治療中も治療に反応するか心配になりながら向き合う疾患です。具体的には、男性、高齢、蛋白尿が強い、腎機能低下があるという場合は予後が悪いと言われているため要注意と言われています。また再発も比較的多い疾患であるため付き合いが長いような疾患です。膜性腎症の原因は一次性(他に原因が無く急に起きたパターン)と二次性(何らかの原因があって起きたパターン)があります。

 

膜性腎症の治療

一次性膜性腎症の場合は、蛋白尿が強い場合はステロイドという免疫抑制薬を使用します。ステロイドのみで効果が出る場合もありますが、それでも効果がない場合は他の免疫抑制薬を使用します。具体的には医師の考え方にもよりますが、1ヶ月程で効果がなければシクロスポリンなどの免疫抑制薬を使用して加療します。逆に蛋白尿がそこまで強い場合は、積極的に免疫抑制薬を使用せずに腎臓を保護する降圧薬などを使用しながら自然軽快を期待して経過をみていくこともあります。

二次性膜性腎症の場合は、原因となる疾患の治療を中心に行います。具体的には、感染症(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、マラリアなど)、薬剤(ペニシラミン、プロベネシドなど)、悪性腫瘍(大腸がん、肺がん、乳がんなど)、膠原病(SLE、Sjogren症候群、MCTD、サルコイドーシス、橋本病、ANCA関連疾患など)などが起きて、それらが原因で膜性腎症が起きる事があります。

一次性なのか、二次性なのかで治療方針が変わるため、非常に重要な部分になるのですが、これも腎生検をして大方判別をつける事が出来ます。近年ではPLA2Rという蛋白やTHSD7Aという蛋白(?)など、原因となる物質が分かってきており、今後診断、治療の進歩が期待される疾患です。

 

長期間放っておくと、腎機能障害が起きて、治療に難渋する事もあるため早期発見、早期治療をしたい疾患の一つです。

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森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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