CKDと歯周病について

CKDと歯周病について
CKDと歯周病について

腎臓内科医の森です。外来で腎臓病の患者さんに歯磨きをするように伝えているのですが、大半の患者さんにポカンとされてしまいます。腎臓病にとって歯を磨くことは立派な治療戦略の一つなのでここで記事にしておきます。

腎臓病の患者さんは歯が汚い??

近年、透析患者で口腔衛生が悪い事が分かっています。過去にヨーロッパやアメリカから同様の研究結果が出て、腎臓病の患者さんの口腔ケアに注目が集まりました。また、単に汚いだけでなく、腎機の障害にも何らかの関連があるのではないかと指摘されています。

歯周病は腎臓を障害する??

歯周病の患者さんでは、P.gingivalis(ジンジバリス)という菌を始めとした歯周病菌が歯茎の毛細血管から、血管に侵入して全身の血管を障害します。特に内皮細胞(ないひさいぼう)に対する障害は、動脈硬化を引き起こして腎臓にも大きな影響を与えると言われています。

また糖尿病の患者における歯周病では身体から出るインスリンが効きづらくなる「インスリン抵抗性」の状態となり、血糖コントロールが不良になることで腎障害を引き起こします。

アメリカやイギリスでも透析になっていない腎臓病では、健康な人に比べて歯周病になっている率が高いという報告もあり、歯周病と腎障害の関連性が現在注目されています。日本のデーターでも歯周病の炎症面積が大きいと腎臓の障害が進むことを示唆するデーターが出ています。

腎障害だけでなく、脳卒中、心筋梗塞、認知症、誤嚥性肺炎、早産・低出生体重・関節リウマチ、肝臓に大きく関わっていると言われており、幅広い予防医療領域として歯周病が注目されており、なんとスウェーデン・フィンランドでは歯垢除去が無料で行うこと出来ます。

科学的根拠という観点から、現状で「腎臓病の患者の歯周病を治療すれば腎臓の障害を抑えられる!!」ということを言い切れはしません。(現在ニュージランドで歯周病治療が腎臓病に良い効果をもたらすかを調べた研究が行われています。)

歯の手入れをしましょう!

一方で、口腔ケアで腎臓だけでなく認知症、誤嚥性肺炎など様々な観点から積極的に勧めることが出来て、口腔ケアを行って何か悪いことが起きる訳ではないので、医師として患者さんには積極的に「歯を磨きましょう!」と勧めています。

可能なら、日常の歯磨きやフロスだけでなく、定期的な歯科を勧めています。というのも歯周病菌は歯周ポケットの奥深くに潜み、歯科の専門用具を使って歯垢・歯石を掘り出しながら除去するのが望ましいとされているためです。

私も半年の一度歯科を受診して歯石をとってもらっています。比較的低コストでできますし、終わった後、気持ちがスッキリしておすすめです。将来的に良い投資だと思っています。皆さんもいかがでしょうか。

(2020年赤羽の開業以降、歯科の連携施設を募集していますので、ここら辺りがある方はご連絡ください。)

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