アルブミン尿が心筋梗塞や脳梗塞の発生率と関連があるという話

アルブミン尿が心筋梗塞や脳梗塞の発生率と関連があるという話
アルブミン尿が心筋梗塞や脳梗塞の発生率と関連があるという話

前回は慢性腎臓病が、心筋梗塞脳梗塞などの血管関連の病気になる危険性を数倍にしてしまうというお話をさせて頂きました。

さて、今日はちょっと一般の方より医学生や看護師さん、研修医向けの話になってしまいますが、アルブミン尿という蛋白尿の一種(?)もまた、心筋梗塞脳梗塞の危険性が高い事を示す指標になるという話をします。僕が腎臓内科になって一ヶ月くらいの頃にこの図をみて衝撃を受けました。

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(Bouchi R, et al. Hypertens Res 2010;33:1298—1304. より引用,改変)

横軸のeGFRというがざっくり『今の腎臓が100点満点で何点なのか』、縦軸のハザード比というのがざっくり『何倍心筋梗塞脳卒中になるのか』を意味します。

緑が『アルブミン尿がない人』、紫が『ちょっとアルブミン尿がある人』、赤が『結構アルブミン尿がある人』を意味します。

この図が意味しているのは、『仮に腎臓の点数が同じでも、アルブミン尿が出ている人、アルブミン尿が出ていない人では心筋梗塞脳卒中になる危険性で全然違う。』という事です。

当たり前ですけど、血管は全身で繋がっています。詳細は割愛しますが、アルブミン尿が出ているという事は腎臓の血管に負担がかかっている事を示唆します。高血圧やタバコによって受ける血管の負担は腎臓の血管にだけにかかるわけではないので、心臓の血管や、脳の血管にも負担がかかっており、心筋梗塞脳卒中になる危険性がたかい可能性があると解釈できます。

アルブミン尿はよく糖尿病性腎症という糖尿病による腎臓の障害を早期発見するためによく使われるのですが、それだけでなく、つまり腎臓だけでなく、心臓や脳の病気になるリスクを評価する事ができるという可能性を提示しました。

論文大好きな先生方は以下の論文をお勧め致します。

前回のブログでは、腎臓が60点以下になると心筋梗塞脳卒中などになるリスクが上がるという話をしましたが、それとはまた別に尿からアルブミン尿が出ている事がリスクを上げるというのが本日の記事の味噌です。

結論:腎臓の点数が低い事に加えてアルブミン尿も心筋梗塞、脳卒中のリスクになる。

将来、循環器内科や脳外科になる先生方や家族に心筋梗塞脳卒中が多くて自分も心配な看護師さんに是非、頭の片隅に心臓、脳のリスクの評価にはアルブミン尿も良い検査だと思っていただければ幸いです。

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