糖尿病とは?

糖尿病とは?
糖尿病とは?

腎臓内科医の森です。生活習慣病の食事療法・運動療法の連載その3です。この連載は、2018年11月4日に行われた「健康フェスタ」でお話した内容を引用しています。

1:食事の健康情報を正しく選ぶ方法をまとめました。

2:高血圧についてまとめました。

3:糖尿病についてまとめました。←今日はココ!

4:脂質異常症についてまとめました。

糖尿病の何が怖いのか?

大事なことなので太文字で書きます。「糖尿病は合併症が怖い」です。

初期の糖尿病の患者さんは、ほとんど無症状です。健康診断などで糖尿病を指摘されて受診されますが、最初は自分の体のどこがどのように悪いかよく分かっていません。私も診療で糖尿病の患者さんを多くみますが、外来を持ち始めた頃は「治療をした方が良い」と訴える私と、「症状が無いのに、なんで治療しなくちゃいけねぇんだよ」と怒る患者さんでよく喧嘩していました。(今ですっかりそんな事も無くなりましたが・・・。)

糖尿病を放置していても5-10年ほど症状無く経過します。その間仕事が多忙であったり、治療費がかさんだり、待ち時間が嫌になったりして、意味が見いだせなくなり治療を辞めてしまう人が多くいて、40%程の患者さんが治療を中断すると言われています。未治療の期間が続くと、神経障害・眼障害・腎障害、そして心臓・脳に障害を来します。

糖尿病と腎臓について

(CKD診療2012より)

私は腎臓内科医なので、糖尿病と腎臓の話をします。少し上の図は見づらいと思いますが、「糖尿病になってからどのくらいの期間に腎臓が悪くなっていくか」を示しており、上の図の赤い線が腎臓の機能を示しています。糖尿病に罹ってから10年〜15年の間、腎臓の機能保たれますが、最後2-3年で急激に腎臓の機能が低下するという経路を辿ります。

実はこの事は長い期間ジワジワ腎臓が障害されていたが、無理をしていた経過を示しています。元々100人のスタッフで100の仕事をしていて、それが数年後80人で100の仕事を行うようになり、更に60人・30人と減っていき、皆頑張って何とか無理して100の仕事をしますが、最終的に100の仕事を行う事が出来ず最後の数年で機能を保つ事が出来ず廃絶します。

上の赤い線は、実際行っている仕事量をみているに過ぎず、中のスタッフが無理をしているかを評価する事ができません。代わりに中のスタッフがどのくらい無理をしているかを示すのが「尿タンパク」です。今日これだけ覚えて頂きたいのは、「糖尿病」で「尿タンパク」を指摘されたら必ず医療機関に罹りましょう!、これは本当です。

早く見つけて、早く治療するが最善の方法

糖尿病の治療は、「血糖コントロール」、「血圧コントロール」、「コレステロール管理」、「適正な体重」などを行います。これらすべてに当てはまるのが「食事」・「運動」を中心とした生活習慣を変える事であり、最終的に糖尿病の合併症を防ぐ事ができます。

過去に日本で、「血糖値」に加えて「血圧」・「コレステロール」・「中性脂肪」・「BMI」を厳格にコントロールをした脳の障害(58%減)、腎臓の障害(32%減)を始めとした糖尿病の合併症を防ぐ事ができたという研究結果が発表されました。JDOIT3のオフィシャルサイトはこちらへ

また腎臓領域では、腎臓の障害がまだ浅い段階で厳格な「血圧」・「血糖」のコントロールを行う事で腎臓の障害や負担を減らす事が出来る事が分かっています。これは腎臓の障害が重くなった段階では見込む事が出来ないとされており、早期の治療が重要である事が分かります。

繰り返しますが、糖尿病で最も怖いのが合併症です。症状がなく、中々治療を続けるモチベーションが沸かない気持ちは理解できます。(私もダイエットや運動習慣が身につかないので人の事は言えないのです。)一方で、腎臓内科医として、糖尿病を放置して公開している患者さんを一杯みてきた経験からこうやって記事をまとめて情報提供が届けばと思います。わからない事があれば、受診・相談を頂ければと思います。

 

今日のまとめ

1:とにかく糖尿病は合併症が怖い!(腎臓に関しては尿タンパクが出ていれば要注意!)

2:早くみつけて早く治療するのが一番の王道!

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