<腎臓内科医直筆>ダイエットのための食事についてまとめました。

2018.11.03
<腎臓内科医直筆>ダイエットのための食事についてまとめました。
<腎臓内科医直筆>ダイエットのための食事についてまとめました。

腎臓内科医の森です。腎臓病の患者さんには、糖尿病、肥満に関連した腎症などダイエットが必要な患者さんが多くいます。医学的なアプローチとしては、手術・内服加療(本当に効くかは未知数)などが有りますが、結局大事なのは「生活習慣を変える事」です。

Googleでダイエットって調べると色んな記事が出てきますが、間違い無い事は「〇〇は痩せる!」、「◯◯で3ヶ月で10kg減!」というは99%嘘だと思って結構です。もしそれが本当なら、世界中のダイエットしたい人がその方法を真似して世の中殆ど痩せているはずです。今、世界中でダイエットの研究がされていますが、まだまだ確立された方法は見つかっていません。

今日は、その中でもダイエットについて分かってきた科学的根拠を紹介したいと思います。「痩せる方法」を探している方、特に「簡単に痩せる方法」を探している方は、この記事は合わないと思うので、違う記事を読んで下さい。ではいきましょう。

 

総カロリーを減らしても痩せ続ける事は出来ない。

究極的に、痩せるとは「摂取したエネルギー」と「使われたエネルギー支出」のバランスがマイナスになれば良いと考える事が出来ます。単純に言い換えると「食べる量(総カロリー)を減らして」、「運動を増やす」という作戦になるのですが、そんな単純な話ではない事が分かってきました。

2014年にJAMAという医者なら誰も知っているような世界的にも医学誌に載ったレビューがあります。(2ページ程でコスパが良いので医療関係者は読んでみても良いかもしれません。)

このレビューを簡単に噛み砕いて説明すると、総カロリーを減らすと基礎代謝が落ちます。摂取したエネルギーが少ないと、体もなんとか節約しようとして使うエネルギーを減らそうとするのです。そのまま食べるのを我慢する事が出来れば良いのですが、中々人間我慢が続かないため食べてしまいます。食べる量はもとに戻るのですが、使うエネルギーが中々戻らず最終的にリバウンドしてしまうとされています。

このレビューのポイントは2つあります。1つ目は、食事の全体量を減らすのではなく置き換える事です。(こちらは後で細かく触れます。)そして2つ目は我慢をするのではなく、精神的な面を含めて達成可能な小さな習慣を変える事が大切とされています。

レビューに書いてありませんが、具体的にはエレベーターを使わず階段を使う、歯磨きしながらスクワットをするというような、私達が普段行っている生活習慣に付け加えていくことが望ましく、意識的にやっていた事を半年後には忘れるような自然な形の習慣の変化が必要だと思われます。

食事を置き換えるのが一番良い。

先程の食事の全体量を減らすのではなく置き換える事が大切と伝えました。この事について書きます。

原則、ダイエットで一番難しいのは「痩せる事」ではなく「痩せたままでいる事」です。そのために食事の全体量はあまり変えるべきではありません。基本的には我慢をしてはいけません。ポイントは食事の「明らかに太るもの」を「明らかに太りにくいもの」に置き変える必要があります。最近流行りの糖質制限も似たような考え方だと思います。では、果たしてどのように置き換えていくべきなのでしょうか?

2012年に先程出てきたJAMAという世界的権威のある医学誌で発表された研究があります。この研究ではダイエットに成功して、ダイエットを維持するフェーズにいる患者さんに「A:低脂質食(炭水化物60・脂質20・タンパク質20)」、「B:血糖値が上がりにくい炭水化物(炭水化物40・脂質40・タンパク質20)」、「C:糖質制限食(炭水化物10・脂質60・タンパク質30)」の3種類の食事を食べてもらい、消費カロリーを比較しました。

結果、「C:糖質制限食(炭水化物10・脂質60・タンパク質30)」が一番消費カロリーが良いという結果が出ましたが、慢性的な体の炎症を示唆するマーカーが上昇していたり、その他に体に負荷がかかっている可能性が考えられました。

一方で「B:血糖値が上がりにくい炭水化物(炭水化物40・脂質40・タンパク質20)」はある程度の消費カロリーを担保して、身体的な負荷も認めませんでした。

糖質制限に関しては諸説諸々あり、専門家でないためコメントはしませんが、長期的な食事の事を考えると、個人的には今回の研究の選択肢であればBを勧めたいと思います。具体的には、炭水化物の中でも玄米・そばなどのGIが低い食事を中心に炭水化物を摂るのが良いと思います。(玄米などについては別途で記事を書きますのでそちらをご参照下さい。)

どんな食品が良いのか?

食品と体重の関係を調べた研究がありますので最後にそちらを紹介したいと思います。こういう類の話をすると、「◯◯を食べましょう!」というニュアンスで捉えられがちですが、あくまで置き換える際の考え方の材料として考えて下さい。

2011年にNEJMというこちらも世界的な権威のあり、医者なら間違いなく誰でも知っている医学誌で発表された論文があります。この研究では12万人のアメリカ人の食生活を約4年間調べて、その後体重がどうなったかを調べました。

結果、以下の通りになりました。

何度も言いますが、この研究結果をうけてナッツを買い漁ったり、ヨーグルトを買い漁ったりするのは非常にナンセンスです。(テレビの報道で、次の日にスーパーから特定の食品が無くなるのをみると心配になります。)何度も言いますが「置き換える」んです。

例えば、白米が主食の家庭の場合、1食だけ玄米の置き換えるのが良いと思います。またおやつでどうしてもスイーツを食べなくちゃ気が済まない場合は、チーズとかナッツ、ヨーグルトに置き換えるのが良いと思います。

特にフルーツジュースは、ジュースだと体重が増えていますが、フルーツ「そのもの」だと体重が下がっています。フルーツの中にも太りやすいものと、太りにくいものがありますが、これを考えていたらキリがなくなります。何でも良いので、ジュースよりもフルーツ「そのもの」で食べていくと考えていくのが長期的に継続の観点から大切です。

(ここでチーズはナチュラルが・・・、塩は海水が・・・、みたいな話を持ち出してくる人がいて、それはそれで否定はしませんが、そこまで細かく自己管理が出来る人が世の中にどれだけいるんでしょうかね?取り敢えず僕は無理です。無理なくシンプルに考えて長く続ける事が大事。

長くなりました。食事については今後もアップしていきます。近日、玄米と白米についての記事をリリース予定です。また興味がありましたら読んで頂けると幸いです。

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管理人情報

森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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  • (2018.09.06)

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