<腎臓内科医直筆>尿潜血とは? 原因は腎臓にある?

2018.10.18
<腎臓内科医直筆>尿潜血とは? 原因は腎臓にある?
<腎臓内科医直筆>尿潜血とは? 原因は腎臓にある?

腎臓領域では、腎臓の障害を早く見つけて・早く治療をする事が望ましいのですが、腎臓は沈黙の臓器で症状が中々出てこないため、腎臓の出すSOSに早く気付いてあげるのが大切です。「蛋白尿」に加えて今日触れる「尿潜血」も腎臓のSOSである事があり、今日は細かく触れようと思います。

尿潜血とは?

尿潜血(にょうせんけつ)とは、尿に血が混じっている状態の事を言います。尿潜血は見た目は透明でも顕微鏡で見た時に血の成分が混じっていれば陽性と判断されます。

尿潜血の原因は?

血尿の原因は、ものなどさまざまです。腎臓内科医としては腎臓の病気において『蛋白尿』と同じで『血尿』も腎臓のSOSの役割を担う事が多くあります。具体的にはIgA腎症、血管炎、ループス腎炎などの免疫関連の病気や、Alport症候群などの遺伝関連の病気の事もあります。中には基底膜菲薄病などの病的には意義が乏しい疾患もあります。(つまり、尿潜血陽性でも治療の必要が無い病気の事)。

尿潜血の厄介な事は、腎臓内科の疾患以外の病気でも起きる事です。尿路結石、尿路上皮癌などがこれらに相当します。これらについては後でまた触れます。

尿潜血の診療の進め方

尿潜血と言われて、病院に行った時にどんな検査をするかを、医師側の立場から説明してみようと思います。尿潜血の患者さんをみた時は、以下2点に注目します。

1)本当に尿潜血なのか?

2)腎臓内科の病気なのか、泌尿器科の病気なのか?

1)についてですが、蛋白尿の記事でも触れました通り、健康診断で行われる尿検査は試験紙法といって、リトマス紙みたいな試験紙を使って調べる検査です。この検査は非常に簡便なのですが、「濃度」で判定しているため尿が濃かったり、薄かったりすると異なった結果が出ることがあります。(またビタミンCをとっていると結果が異なる事があります。)

本当に尿潜血があるのかを調べるためには「尿沈渣」という検査を行います。尿に混じっている血液の「数」を評価する事が出来ます。またこの検査では血液の「形」も評価出来ます。

2)については先程も書きましたが、「尿潜血」の原因は腎臓が原因なのか、尿管・膀胱・膀胱が原因なのかで話が全く異なります。何の事やらと思われると思うのですが、腎臓で尿が作られて体の外に出るまでに「腎臓」→「尿管」→「膀胱」→「尿道」という経路を通り、「腎臓」と「尿管・膀胱・尿道」で病気の構造が全く異なり、治療戦略が大きく異なります。この区別をするためには、2つの尿検査に着目します。

A:尿蛋白が出ているか

B:尿中の血液の形がゴツゴツしていないか。(先程の尿沈渣で評価出来ます。)

腎臓の障害で出てきた障害では、血液だけではなくて、一緒にタンパク質も漏れてきます。また、腎臓という臓器は茨の道であり、血液の成分が壁にぶつかって通ってくるので最終的にゴツゴツしてしまいます。「変形率あり」と表現します。

尿潜血は放置してはいけない

日本で透析になる病気第2位にIgA腎症(アイジーエイじんしょう)という病気があります。原因は良く分かっていない病気ですが、何らかの体の炎症が原因でその度に腎臓を攻撃してしまう病気です。このIgA腎症は予後の悪い病気として考えられていましたが、近年治療法が確率されつつあり、早期発見・早期介入がより重要になってきました。

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森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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