蛋白尿の人って透析になりやすいんですか?

蛋白尿の人って透析になりやすいんですか?
蛋白尿の人って透析になりやすいんですか?

蛋白尿についてこの記事が5つ目の記事ですね。過去の記事はこちらへ。

糖尿病で蛋白尿が見つかった人に、腎臓内科医として絶対伝えたいたった一つの事

そもそも蛋白尿ってなんですか?

蛋白尿を見つけたらどうすれば良いか?

結局尿蛋白ってどうやって測定すれば良いんですか?〜実は医療者も良く分からない尿検査について〜

腎臓のSOSである蛋白尿が出た人が10-15年後ぐらいにどのくらいの透析になったかという日本の研究を紹介しながら、蛋白尿に対して早期発見、早期介入の必要性に触れたいと思います。実は腎臓内科になってすぐに上司にこの図を紹介してもらって衝撃を受けました。あくまで患者さん向けに書いているつもりですが、ありがたい事に医学生や研修医の先生も見て頂いているので原著を載せておきます。 http://www.kidney-international.theisn.org/article/S0085-2538(15)49025-8/fulltext

尿蛋白3+の人は7人に1人ぐらい透析になる?

今日のキー画像は下です。英語は読みづらいと思うので無視して下さい。

横軸の-、±、+というのは私達が健康診断を受けて帰ってくる結果に書いてある尿蛋白の結果です。見て頂くと、『3+』の方が、『-』のよりも値が高いですよね。これは実は、17年後に透析になってします確率を示しています。つまり、蛋白尿が『3+』という結果が帰ってきた人は17年後に15%くらいの確率で透析になる事を示しています。

実はこの研究は1983年の沖縄で検診を受けた10万人ぐらいの人が2000年までにどれだけ透析になったかを調べた研究です。健康な若い人も透析になりそうな太った中年男性も皆ごちゃまぜにしてあります。日本人のデーターなのでこの記事を読んでいる読者の皆様に当てはめやすい結果になります。

同じ論文でこんな結果が出ました。

男性であれば、蛋白尿3+の人は蛋白尿なしの人に比べて2.56倍、女性であれば蛋白尿なしの人に比べて3.43倍透析になる。

このデーターは皆ごちゃ混ぜにしていた上の図とは違って、様々な要素を調整して出た結果です。詳細は難しいので無視してもらって大丈夫です。

実際の臨床現場で起こっている事

大きな病院で腎臓内科医をしていると、この蛋白尿3+が5-6年放って置かれてから患者さんが受診する事があります。腎臓内科医を始めた当初の頃は、なんで放置したんだ!と思っていました。

しかしながら、このブログでは何度も触れているように、医者の中で腎臓内科はかなりニッチな領域であり、また循環器内科の先生は心臓の事で、脳外科の先生は脳の事で多忙すぎるためなかなか腎臓の蛋白尿の事に構ってる暇がないのが現状です。

また蛋白尿というのは厄介で、問題無いのに、問題有り!という結果になる事もあります。具体的には脱水の時に検査したりすると、蛋白尿が陽性になってしまう事もあるのです。白黒はっきりしない事も多くあります。

僕自身、腎臓ばかり診ているので、その他の肝臓の話や虫歯の話など分からない事が一杯あります。医学生、研修医の頃は見逃したら死んでしまうような疾患はみっちり教育を受けますが、極論蛋白尿を見逃してもすぐには影響は出ないので比較的後回しになってしまいます。

個人的には、薬局とかで蛋白尿を測定する試験紙を買ってきてもらって、ご自身で調べる何度も調べる事をオススメしています。毎日のように何度検査しても蛋白尿1+を超えるような事があれば、何らかの疾患が隠れていて腎臓がSOSを発している可能性があるので腎臓内科医の受診を検討しても良いと思います。

健康診断で尿蛋白の記載があり、よく分からずgoogleで検索してこの記事を読んでいただいた方は是非とも、ご自身で僕の書いた蛋白尿の記事(冒頭にリンク貼ってます)を一通り目を通して頂き、こちらから勉強してしまうのも実は良い手だと思います。早期発見、早期治療に繋がればと思います。

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