<腎臓内科医直筆>腎臓の検査の方法をまとめました。

2018.10.20
<腎臓内科医直筆>腎臓の検査の方法をまとめました。
<腎臓内科医直筆>腎臓の検査の方法をまとめました。

腎臓という臓器は一度障害を受けると原則良くはなりません。また腎臓という臓器は沈黙の臓器で症状が出現した頃には時すでに遅しとなっている事があります。

このサイト「腎臓内科.com」では早期発見・早期治療のために、健康診断で見つかった採血異常・採尿異常について記事を一杯書いていますが、今日は、実際腎臓内科を受診した時にする検査について書こうと思います。

問診

まず、問診します。問診内容としては以下に羅列します。

 

  • 基本情報:年齢・性別・飲んでいる薬・罹っている病気etc
  • 生活習慣:食事、タバコ、酒、高血圧・糖尿病について(有無、何年罹患しているか、コントロールは良好か)etc
  • 過去の検査データー:蛋白尿・血尿の有無、クレアチニン上昇の有無etc
  • 出生歴・遺伝歴:低出生で生まれたか・昔非常に太っていたか・家族に尿の検査異常や透析の人がいるかetc
  • 腎臓以外の症状:喉が腫れやすいか、難聴はないか、関節痛がないかetc

 

腎臓が悪くなっている原因を考える時に、一番大事なのは急激に悪くなっているのか・慢性的に悪くなっているかです。過去のデーターを参考にして急激に悪くなっている場合や、過去のデーターが無くても即座の対応が必要と考えられる場合は特別な検査に移ります。

ただ一般的な腎臓内科の診療は慢性的な経過の事が多く、特に生活習慣病(高血圧・糖尿病)を背景とする腎臓の障害の事が多いです。動脈硬化や糖尿病が関わる事が多いためそれらの要素が無いかを聞きます。特に高血圧・糖尿病がある人に対しては細かく問診します。

採血・採尿検査

主に腎臓の現在の状態を評価します。代表的なのは、クレアチニン(Cr)、eGFR、尿蛋白、尿潜血を中心に評価します。こちらについては別途細かく記事を書きましたのでご参照下さい。

また、腎臓が悪いことで起きる合併症も評価します。代表的なのは、カリウム(K)、尿素窒素(BUN)、重炭酸イオン(HCO3)などが挙げられます。

画像検査

腎臓が悪くなっている原因を調べる上で、腎臓の超音波は有益な情報材料です。腎臓が萎縮していたり、腎臓の表面がザラザラしていると動脈硬化の可能性が考えられます。一方で腎臓が腫大していると糖尿病などの可能性が高いと考えられます。腎臓の障害は色んな病気が関わっている可能性があり、超音波検査だけで白黒付けつける事困難ですが、ある程度の情報量を得る事が出来ます。

また腎臓以外にも病変がある事が予想される場合は、CTで評価することもありますが、被爆や医療経済的にまず超音波を行う事が多いです。

血圧・脈波検査

全身の動脈硬化を評価する際に良く使用されます。腎臓が悪くなっている原因を調べる上でも必要な検査ですが、生活習慣病に合併する足の血流などを評価をする際にも使用します。

頸動脈エコー

腎臓が悪い患者さんは、脳梗塞になる可能性が高いと言われており、全身の動脈硬化が強い場合は脳の入り口である頸動脈が狭くなっていないかを評価する事があります。

眼底検査

時折、「腎臓を調べるのに、何故を眼を見るのか?」と疑いの眼を向けられる事がありますが、眼底検査は腎臓の評価に非常に有用な情報を与えてくれます。なぜなら眼底の動脈硬化・糖尿病の変化は腎臓の動脈硬化・糖尿病の変化に類似しており、眼底から腎臓の障害を予想できるからです。腎臓を直視する事は出来ませんが、眼底を直視することは可能なので眼底検査を行います。

腎生検

上述した採血・採尿検査・画像検査などである程度予想は付きますが、確実に診断を付けるには腎生検(じんせいけん)という検査を行うのが一番正確です。腎臓に針を刺して組織を採ってきて、それを顕微鏡でみて構造を明らかにする検査です。検査として腎生検は抜群に良いのですが、腎臓に針を刺すので出血する事があります。出血が止まらず輸血・手術が必要になる可能性は500人に1人と言われていますので、やたらめったらやる検査ではなく本当に必要な時にやる検査です。

詳しくはこちらをご参照下さい。

 

今日は病院で行う腎臓の検査についてまとめました。健康診断などの採血・採尿で異常が出て診察希望の方は以下で受け付けておりますので遠慮なくおっしゃって下さい。

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管理人情報

森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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