<腎臓内科医直筆>クレアチニンとは? 〜数値が高いと腎臓に問題がある?〜

2018.10.14
<腎臓内科医直筆>クレアチニンとは? 〜数値が高いと腎臓に問題がある?〜
<腎臓内科医直筆>クレアチニンとは? 〜数値が高いと腎臓に問題がある?〜

クレアチニンは腎臓の働きを評価する項目として最も有名な採血項目で、健康診断や診療所でも頻繁に測られています。クレアチニンが高い事は腎臓が障害されている事を意味しており、放置すると透析が必要な状態になります。

クレアチニンとは?

クレアチニンとは、筋肉を動かすためのエネルギーを使った後に出てくる老廃物の一つです。このクレアチニンは体にとって不要なもので、尿として体の外に出ていきます。体にとってあまり価値の無い物質なのですが、このクレアチニンの血液の中の濃度を測定して、腎臓の働きを評価する事が出来ます。

なぜなら、腎臓は不要な物を尿として体の外に出す臓器なのですが、腎臓が悪くなって不要な物を処理する能力が低下するとクレアチニンが体の中に溜まり濃度が高くなります。

 

クレアチニンが高い原因とは?

クレアチニンが高い事は腎臓に何らかの障害がある事を意味しており放置すると透析が必要な状態になります。以下のようにクレアチニンの正常値は男女で異なります。

男性:0.65〜1.09mg/dl

女性:0.46〜0.82mg/dl

クレアチニンが高い原因は2パターンに分ける事が出来ます。急性の障害(一過性に障害を受けたもの)と慢性の障害(ゆっくり段階的に障害を受けたもの)です。

急性の障害としては、脱水、薬などが原因として挙げられます。原因を解除する事によってある程度改善します。医学的に特定の要素を満たした場合は急性腎障害(AKI)と呼びます。

慢性の障害としては、高血圧・糖尿病などの生活習慣病やIgA腎症などの免疫の病気が原因として挙げられます。急性の障害と異なり、ゆっくり段階的に生じた障害は、原因を解除しても良くなりません。医学的に特定の要素を満たすと慢性腎臓病(CKD)と言います。

急性の障害であっても、慢性の障害であっても、腎障害が進行すると体の不要な毒素などを外に出すことが出来ず『透析』という医療が必要になります。

クレアチニンが高い時はeGFRを計算しよう!

クレアチニンが高いと腎臓が悪い事を説明しましたが、実はこのクレアチニンという検査には落とし穴があります。

年齢・性別で値が大きく変わってしまう。

クレアチニンは年齢と性別に大きく影響されます。例えば20歳男性と70歳女性のクレアチニン1.0に相当する実際の腎臓の機能は、70歳女性の方が20歳男性の半分程度しかありません。

クレアチニンは値と重症度が正比例しない。

例えば、クレアチニン1.0とクレアチニン2.0では値が2倍になっていますが、実際の腎臓の機能が半分になっているかというとそうではありません。下のグラフの横軸のGFR(ジーエフアール)は実際の腎臓の機能を示す値と考える事が出来ますが、クレアチニンとGFRの関係性が下に凸になっています。

以上の2つの理由からは、現在はクレアチニンではなく、クレアチニン・年齢・性別を特別な計算式に入れて算出出来るeGFRを使うのが一般的です。

eGFRについてはこちらの記事をご参照下さい。

クレアチニンが高くなり続けると透析が必要になる

クレアチニンが高い状態は、腎臓が障害されており体の不要な毒素を出すことが出来ない状態で、最終的には透析という医療が必要になります。先程申し上げた通り、慢性的な腎障害は一度悪くなると良くなりません。クレアチニンが高いという結果が出た場合は原因を調べて、早期発見・早期介入するのが望ましいと考えられています。

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森維久郎・写真
腎臓内科医
森 維久郎(もり いくろう)
『防げる透析を少しでも減らす』を理念に腎臓内科医をしています。
腎疾患をなるべく早く見つけて、しっかり介入するには、診察以外での情報提供が必要だと感じて『腎臓内科.com』を立ち上げました。
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  • (2018.11.04)
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  • (2018.10.27)

    開催内容はこちら!(https://xn--v6q559gj6ehpa.com/archives/1206

  • (2018.10.10)

    ジャパンヘルスケアベンチャーサミットでCKDオンラインを発表しました!

  • (2018.09.21)

    日経メディカル様に取り上げて頂きました!詳しくはこちらへ!

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  • (2018.09.06)

    週刊東洋経済2018/9/8号で少しお話させて頂きました!

     

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